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Conceptコンセプト

大切にしていること

建築に携わりはじめてこれまで住宅だけでなく商業建築、共同住宅、福祉施設等の設計監理を経験させて頂いてきました。そこで私が肌で感じたのは、規模の大小に関わらず、そこにはお施主様をはじめ施工に関する人々、設計施工以外の建築廻りの多種多様な方々との共同作業とも言えます。
一方で敷地、予算、法規、コスト、、、などの制約の中で成立させねばならない現実があります。そして、住宅について言えば、お施主様の「想い」があります。

そのようななかで私が設計するうえで大切にしていることは、

『整理すること』

設計とは?という問いかけを私自身に問いかけた場合、今私が言えることは、「整理」することだと考えます。
たくさんの希望を叶えるべく設計することは良いことです。
しかし、そのために建物の基本性能やコストのバランスを崩すことは正しくありません。
お施主様のご希望を一度すべてお伺いしたうえで、そのほかの条件や制約とのバランスがとれるよう「整理」することが設計と私は考えます。

『コスト』

限られたご予算の中で、どこにコストを掛けるべきか、またはコストを削るべきかをお施主様と共に考え提案、検討をいたします。コストには、建築と建築後の住まい手の立場にたってのコストがあります。
工務店の協力を得ながら見積検討調整を行い、これを住み手と共に考え、バランスよく整理します。

『プロセス』

住宅を作る方法は多数あります。建物形態だけでもハウスメーカー、ビルダーによる建売住宅、共同住宅等の多種にわたります。そしてこれらのつくられ方も多岐にわたります。
その中で設計事務所が作る住宅とはどうあるべきか?を考えたとき、
作り手と住み手とが対話を通して毎日の暮らしやこれからの住まい方を考え、試行錯誤する十分な時間を経てお施主様の想いを結晶化していくプロセスだと考えます。
対話から新たな発想や気づきに出くわすことは設計での幸せでもあります。

『住みながらえること』

服に着心地があるように住まいにも着心地があると思います。
服のデザインのカッコよさも一つの表現ですが、着心地というのは服と服を着るヒトの快適さや想いがあります。
住まいの着心地は建材だけでなく、住み手の暮らしの中のアイデアや使い勝手など時間を経て得られる処に潜んでいます。それは対話や観測から住み手と共に発見しながら設計をすすめたいです。

『素肌感覚』

地方出身の私が東京の暮らしでいつも思っていること。
それは、当たり前のように窓を開け放ち、陽の明かりや自然風を感じることの贅沢さです。
もちろん東京特に都心の高密度に住宅が密集する地域が多いことからプライバシーが優先、便利が重宝され必然もあります。しかし、建築は一度作ったらそう簡単に変えられません(窓や柱・壁・屋根は特に)。そう考えると、窓一つとってもそこに窓があることで採光・採風・開放性・視線の抜けや遮蔽と関係する重要な要素と言えます。
また、時代と共に高機能な設備機器、高気密高断熱、、、と住まいの環境は快適・便利になっています。でもその一方で窓を開け放ったり、夏季夜間に夜風で涼むなどの素肌で感じることが難しくなっていませんか?
東京の住宅密集地でも空に目をやれば開放性を十分に獲得できる、もっと自然光を採り込める、そのような素肌感覚を大事にしたいです。